ポケモン雑学置場

ポケモンの様々な雑学を扱います。

ポケットモンスターSPECIAL 回想録8

【ネットくん…発進!】
今では、すっかり毎月の情報発信として定着した「ポケSPの公式サイト」ですが、開始したのは2001年度。
山本先生と新コンビで連載を始めた、この年です。
実を言うと、これは作画交代とはまったく関係ないところで始まったはなしで、
学年誌のHPである「ネットくん」、これは当然「学年誌の宣伝」をする目的で運営スタートしていて、
その中でポケモンも大切なコンテンツなのでコーナーを作りたい、…最初はそんな感じの…。
小学館ネット事業部さんからの、ライトなお持ちかけだったと思います
しかしタイミングとしては(結果的にですが)、このことも本当に助かりました。
まあ皆さんもご存知のとおり作画家交代直後は読者の反応も含めて非常に場が荒れている状態でしたから、ホームページが出来れば、読者の皆さんに「これからはこのコンビでやっていきますよ」というメッセージも送れますし…、
ともかく「新体制」を認知してもらうためのものとして機能できれば、という思いに、すぐなりました。
実際に準備をしていく段階においては、当時、僕自身「インターネット的なもの」に…まあ、ほとんど知識がありませんでしたので、
「他のマンガのHPはどんななのかなあ」と調べたり、ファンサイトのようなものを初めて見てみたり。…それが僕なりの研究や準備でした。
さらに月号が進んで、秋あたりになってきた時にはクリスの周囲に「前章キャラクター」が集合していくような展開に入っていきましたので、
サイトのほうでも、それに合わせたイラストを出すなど連動をはかっていきました。
それが当時のトップ絵「7図鑑所有者」の「後ろ姿」イラストです


第141話 VS ベロリンガ
イエローとクリスが会話したらどんなかしら、とあれこれ想像し書いた回です。
もういちどイエローが作中で動き出して、クリスとも合流できて。素直に楽しみだったかな。
また、それ以上にライ・スイ・エンを目覚めさせたのも彼女だと自分から告げる、そのにこやかな表情、忘れられません。
マチスとマツバのやりとりも入って、盛りだくさん。ドキドキします。
2001年度「小学五年生」11月号。


第142話 VS テッポウオ
クリスとイエロー。できあがってみると全然ちがうタイプのふたりなんですが…
「優等生ぽい」という点では共通してるようなイメージもあって、出会いから、この話まで。
ふたりの会話してくイメージが固まるまでに…、なんというか結構苦労した覚えがあります。
最初は噛みあわなかったり、怪しんだり。
しかしクリスは捕獲の腕を披露して、イエローは癒しの能力を披露して、おたがい「すご~」ってなる展開が…。なんか心温まりますね。
ただお話的にはメラメラ。マチスとマツバのやりとりもどきどきしますし、雑誌連載段階で「この話が11巻のラストにくる~」と強烈に意識して描いているので…
もちろんラストページは、あのふたりでございました。
2001年度「小学五年生」12月号。


【コミックス11巻発刊への道】
これの発売日は2001年の年の瀬。12月でした。いろいろあった2001年だったけど、夏に8・9・10巻同時発売ができて、年末には11巻を発売できて…
そこまで来て、やっと安堵できた記憶があります。
もっともラストにくるエピソードが2001年度「小学五年生」12月号掲載(11月あたま発売)だったわけですから、
その分が原稿になってすぐ編集作業だったわけです。
ただ急ぐ理由としては1点で、コミックスだけでストーリーを追っている読者に1秒でも早く「ゴールドとシルバーが生きてること」をお伝えしたかったです、と。これでした。
32、46、90、120、134、150、166、182ページ。一応リスト化。コミックス発刊時の描き足しページです。
その他巻末の予告ページやポケモン図鑑の機能特集記事など。本としてまとめあげる作業は楽しかったかな。


第143話 VS ピィ&ププリン
この年度の「小六」に連載したスイクンルート。
訪ねる先がヤナギ、チョウジジムということで…。これも気合いをいれて準備しましょうと意気込んでいました。前後編です。
アカネちゃん、クルミ、協会理事、コガネラジオディレクターという面々。
1ページ目、ぞろぞろと歩いてくる一行の絵はたよりなさすぎて笑える感じ。
ディレクターは…当時とにかく気に入っていて、このへんからいよいよ。生き生きしてきますww
ヤナギ老人は…「氷」→「氷の彫刻」と考えて、ああいったキャラ立てに。「彫刻家」という職業に…僕が凄く魅かれていたというのもあります。
「杖」の中に命令するためのギミックが仕込まれている、ということも決まっていたので14ページ6コマ目に「コッコッココッ」と入れてもらった。
まだだいぶ先になるけど、いずれ描く最終戦に想いをおよばせながら…。これも思い出深い一編です。
2001年度「小学六年生」11月号


第144話 VS ウリムー
スイクンルート。
9ヶ月目ということで、まとめのような?これまでの戦闘法や特殊能力をおさらい。それらをふまえてのバトル描写…!中身が濃い感じ。
まあ自分はこういうのが好きなんだなあと改めて思う。
のちに描く決戦の前に「この章のラスボスはどんな腕前の人か」というのを示したかったのもあり…。エピソードとして気にいっています。
キャラ芝居的にはヤナギ老人とアカネちゃんのコントラストが面白かったかな~。準備は楽しかった。
この前後編を描きおえたら、年度の残りは3ヶ月。もうひとつ前後編を、1月号→2月号で描き、最後の3月号は「特別編」と計画、
ここまで来ると立てたシリーズ構成がずれることもなく。ようやく「立てないし期間」から…制作上は抜けたかんじだったかな~
ムードのあるラスト、ヤナギ老人の表情。直前ページ「すみません」とのメリハリも相まって…。効果を増していると思う。
山本先生の腕前に感謝だった。
2001年度「小学六年生」12月号。


第145話 VS サンドパン
まあ、ともかくゴールドとシルバーが目を覚ますエピソードということで、凄~く特別なのですが…。
なんか特別すぎて、かいたときのことは、よく思い出せんです。う~ん。まったく記憶がない。
それよりは、打ち合わせが終わって、画稿が上がって、それが実際に雑誌にのるまで。
その期間の緊張感のほうがずっとずっと頭に残っているんだなあ。不思議だ。ともかくいつも以上に反応。読者の皆さんの反応を気にしていました。
絵の中では50ページの6コマ目、マチスに調子良くお礼を言うゴールドの表情が最高に好き。あの絵を見たとき、
何か胸のつかえのようなものが取れた。やっぱゴールドだ…みたいな。
2001年度「小学五年生」1月号。


【このころのこと・ネットくん発進②】
ポケットモンスターSPECIALの情報発信源として、学年誌HPネットくん内に公式サイトができた。
その開始が2001年度だったことは、以前の回想録で書きましたが、年度の前半は当然クリスメインのページだったわけです(当然、クリスしかいなかったので)
年度の後半になってようやく、行方不明者が登場したり、先輩図鑑所有者が合流したりで、クリス以外に注目が向くようになったのでサイトのトップもその、物語展開にあわせた企画を行なったりしました。
具体的にはトップページのメインイラストで。「7人の図鑑所有者が後姿で始まって、登場、合流ごとに振り返っていく」というもの。
いまでもサイト内「美術館」#21#22に残っているね。
141話が掲載された時点でクリス・イエローは振り向いた状態から始まって142話掲載段階ではシルバー、145話掲載段階でゴールド…という順で。
月ごとにひとり、またひとり振り返っていきました。
ので、この段階(2001年度1月号発売時)で7人中4人が前をむいてたことになります…ね。
これも企画としてサイトにくる人が喜んでくれていたようだったので、楽しかったです、


第146話 VS ルギア【前編】
前の話(145話)とは対照的に、このシナリオを書いたときのことは、めちゃ良く記憶に残っていて…。
書き終えた時のテンションまでもが、今も体の中にメラメラ残っているよう。
きっと「ゴールドとシルバーとクリス。3人が集まったらこうなんだ!」というのを、それまで頭にためこんで、ためこんで、ためこんで…。
それをいよいよ描く時が来てバンと爆発するような感じだったんだと思う。
何かにとりつかれるように机にむかって…。執筆にかかった時間も、普段の…5分の1くらいだった
「空も飛べず海も渡れない」と悪びれず語るゴールド、「受けた恩は返す」と言うゴールド、もったいをつけることもなく、はっきり「敵は氷使いだ」と伝えるゴールド。この回のゴールドの…すべてがいい。本当に気分の良いヤツだ
また、山本先生が「巨大感」というお話をされていましたが、ルギア、アクア号、海と空…!見事にその奥行きが絵になっていて、あがった画稿を見た時は「さっすが~」という感じでした。
2001年度「小学五年生」2月号。
小五に関しては年度またぎも目の前、という時期でございました…!


第147話 VS ルギア【中編】
海も渡れない、空も飛べないというゴールドが、それら~フィールド上の移動技・移動手段を獲得する話…として考えていました。
マンタインというポケモンを知った時、タイプが「みず・ひこう」で「海」と「空」を連想。
「どっちもいけるならすご~く、お得な感じがするなあ」「なんかゴールドっぽい」というイメージがあって…
また「金・銀」をプレイした時は「つりびとヒデノリ」というトレーナーがいて、この人は「テッポウオ」の大量発生を主人公に電話で知らせてくれる。
なかなか良い人じゃ~ん、この電話イベントはマンガに入れたいなと。この2点が結びつき、あのような展開に。
この流れに持っていくために第142話のテッポウオ大量発生、大量捕獲があったわけです。
が、よく考えてみたら大量のあのテッポウオを全部捕獲したのはクリスだな~(ゴールドはその件、クリスにお礼するべきです)
シルバー、ゴールド、クリスの会話をかくのはもちろん、すごく楽しかった。
掲載は2001年度「小学五年生」3月号。
マンタインという飛行手段を得て「いくぜえええ!!」とルギアにつっこむところで「年度越え」。次年度の「小六」4月号へと続きます


第148話 VS ルギア【後編】
ゴールドの空気弾封じ。主人公らしい活躍が描けてうれしかった。そうそう「空気弾」と言えば…
怪獣映画やウルトラなんかで、突如出現する怪獣、それに対して「あれは○○!」とか言うと、「初めて見た怪獣の名前、なんで解るんだよ」とか「怪獣の出す技の名前まで知ってるのおかしいだろ」など。
あれこれツッコミどころを探す。特撮ファンとはそういう困った習性があるのですが、わたくしもけっこう …そっちです。
ポケモンの場合、またいろいろ逃げ道もあるので「知ってるもの」として行きすぎることのほうが多いです。
が、それでもたまには「伝説との初対面、技名…当然知らないはずだから、その場で見た目で命名するとか…できないかな」って時もあり、この連作の中では、そうしました。
前の話(147話)、マチスのセリフです。
また、148話は年度を越えた4月号用に執筆しました。
学年が上がったスタート号、ここから1年読んで欲しいという願いもあり、3匹同時最終形態進化など気合いのシーンでメラメラ構成していった覚えがあります…!
ゴールドのセリフ「よくぞオレの作ったチャンスを生かしてモノにしたな!」は、今読んでも笑ってしまう。
あくまで自分の手柄といわんばかりだな、ゴールド…ww
2002年度「小学六年生」4月号でした。


第149話 VS キングドラ
ボールが空→追尾をしよう→ここは棲家→追尾できない?→先に誰かが捕獲した!→マチス招集→ゴールドのシルバーへの気持ち→オーキドから連絡→シルバーは奥の間へ。ううむ。盛りだくさん。
冒頭のシーンは気に入っています。また「捕獲したと思ったのにボールがカラ??」…と、まあこういうシーンを描くことも考えて「ポケSP」におけるボールは常に半透明(開閉しなくても、中身、有無がわかる)仕様にしています
「半透明」。関連して思い出すと第1話から、象徴的シーンとして出ている。
シナリオに、たった1行書いた「ボールをかかげ夕日に透かす」。その一言。「てのひらを太陽に」の歌詞を思いながら書いた。
98~99ページの掛け合いは楽しいですね。
いろいろな展開があるこの連作ですけど、最後はワタル登場。
シルバーが彼から指令を受けていたことを明かすことができ…、ここでまたテンション↑↑  
2002年度「小学六年生」5月号


第150話 VS チョンチー
この年度「小六」で描いたスイクンルート。
この前後編を最終ブロックにすべく用意。スイクンの目に適うのは…?その答えが出るということで気を入れて準備しました
ぞくぞくとジョウト入りするカントーのジムリーダー。ジムリーダーをたくさん出せたのは楽しかった。とくにアンズ、そしてまだ後姿だけどグリーン
また「バッジ集め」ということに関しても、この作品なりの解釈がようやく書けて、この点でもほっとした一編です。
「トージョウの滝」という名称を初めて知った時、とても語感がいいと思った。
主人公ルートの中では詳しく描けそうになかったのでここで。場所として…なにかが起こりそうな気がして…凄く魅力を感じていました。
2001年度「小学六年生」1月号


第151話 VS ランターン
この年度「小六」で連載したスイクンルート。
スイクンによるジムリーダー行脚も、もう最後ということで、一度着地する気持ちで準備しました。月号としては2月号なので、あとひとつき残し。
ラストの3月号は特別編と決めていてイエロー&3匹の目覚めエピソード(次の話)でした
金銀。ゲームをプレイしたとき、カスミは髪型を変えていたんですね。オヤ?と思い…。
また、男の子とデートなんかしたりして、色恋の話もしている。うむ~この変化…!
そういった変化を「ポケSP」なりに再解釈し、作劇したような流れになった、それが150~151話でした。
ビジュアル面のキーワード「水」とも重なりあって、良かったと思います。水の表現に関しては作画された山本先生もおっしゃっているので、合わせて見てください…!
2001年度「小学六年生」2月号


第152話 VS バタフリー
六年生の3月号は学年誌からの卒業号ということで特別な思いがあります。
この学年の読者は小四から数えると99年度、2000年度、2001年度という3年間の読者だったわけですが(正確に言えば98年度小三3月号よりの読者)
37ヶ月間のしめ。小三3月号からずっと読み続けてくれていたと仮定すると最初に読んだのは第63話(VSナッシー)のはず。
イエロー編から読んでいる読者なので、最後、なじみのあるイエローで終わるのが良いように思い、シリーズ構成をたてていました。
ベースとなったのは原作ゲームのシナリオそのもので、ライ・スイ・エン3匹がなぜ誕生したのか、なぜホウオウを慕っているのかという描写をそのまま引きうつしています。
「ホウオウ親衛隊」みたいな、そういう「ポケモンどうしの関係性」みたいものが、他ではみられなかった要素だったので、新鮮に感じた記憶があります。
『なぜイエローだけが「はざま」に存在する異空間に入れたのか』など、のちに繋がる布石も用意して…、
3月号といういったんのお別れを多少さみしく思いつつも、内容は楽しく準備しました。
2001年度「小学六年生」3月号


第153話 VS ホウオウ
これは2001年度2月号用に用意したもので、雑誌は「小学四年生」。
前の月1月号に載せたものは第135話(VSヨーギラス)であったので、そこからのワープ。
いつものことではありますが、だいぶ飛ぶ感じ。
ただ、雑誌的には中隊長ズがスイクンを捕り逃した→その流れでお仕置…とすることで、読者の目にはナチュラルなブリッジにうつるよう配慮。
念願の「残党アジト」の描写にこぎつけました~
「ジークジオン!」みたいなシーンを、…まあ描きたかったわけです。
イメージ的には「まやかしのカリスマ」というか。そんな空気は出したかかったかな。
サカキという人物を失ったあとのロケット団ですから。どこか空虚な感じというか。
「シャム」「カーツ」。彼らの名。また「幼少よりじきじきに育て上げられたエリート」だという事実、そして「マスク・オブ・アイス」という名称。いろいろ明かしたかった要素をオープン。
丁寧に読んでくれていた読者なら、この153話でいろいろなヒントが結びついたかもしれません。
りかけいのおとこ、ボーイスカウト(現キャンプボーイ)のふたりも場に集い懐かしい感じ。
おそらくこの2人もここで名前公開だった…かな。アキヒトとジュンジです。
2001年度「小学四年生」2月号。


第154話 VS ヤンヤンマ
年度またぎ(2001→2002)の時期となり、3月号。次年度「小四」にあがる「小三」、その最終号から連載が始まるパターンを当時はとっていたため、3月号だけは「小六」「小五」「小四」「小三」の4誌掲載になります。
この154話はその「小三」3月号と「小四」3月号をくっつけて1話にしたものです。
p169~177までの9ページ分が「小三」3月号で、この学年(2002年度「小四」になる学年の読者)にとっては新連載部分、
p179~p191までの13ページ分はダイレクトに153話からの続きで「小四」3月号にかいたものですね。
さらにp193~194の2ページ分は翌月(4月号)用にかいたものの冒頭部分という…。まあややこしいと思いますがマニアックな方は雑誌との対応ということで…。
縦断連載の原稿の組み合わせ方ということで、見てみてください
p169~177・「小三」3月号。新連載ということでセキエイにむかう主人公とヒロインという2ショットでスタート、そして紹介編、というつもりでかきました。
これまであったあれやこれやは…ともかくすっとばしましてゴールドのキャラ、クリスの真面目さなんかが伝われば良いかなと…
まさしく紹介編です、あとはオーキド博士からミッションを受け取ってる、ということだけ伝えるのでせいいっぱい、9枚だったし
p179~p191・「小四」3月号。リニアあり、2地方16人ジムリーダーありで、まあ賑やかです。
どちらの学年も年度をまたぐということで…どうあっても次年度も読んでもらいたく、引きの強いパーツをもってこようと懸命でした。
2001年度「小学三年生」3月号+2001年度「小学四年生」3月号


【このころのこと・2001年度終了①】
いろいろあった2001年度ですけど、 とりあえず3誌とも年度越えの時期をむかえていました。
3月号、という時系列でまとめると
「小六」イエローと3匹の目覚め(152話)、
「小五」ゴールド、マンタイン入手(147話)、
「小四」16ジムリーダー集合(154話)、
「小三」ゴールドクリスがセキエイへ(新連載・154話) という並びで、年度の引きでした。
2001年度は・山本先生とのコンビスタート、ネットくん(公式サイト)のスタート、ポケSPをきっかけにした番組出演など本当にいろいろなことがありましたので2002年に突入するときは…いろいろ感慨深い思いでした。
…が、内容的にはここからがいよいよ三章の最終コーナーということで、
そろそろ届きつつあった「GBアドバンス対応のポケモン新作」の話も耳にしつつ「やるぜ~」というスイッチをギリギリと入れていたのを思い出します…!


第155話 VS カブトプス
「金・銀」をプレイした時に「16人もジムリーダーいるし!こんなにいて全員に見せ場とか…むりなんじゃ~??」と思ったのが正直なところでしたが、それなら逆に。「それを逆手にとって16人いる、ということを生かす舞台を模索しよう」と思い直しました。
「カントーVSジョウト、8対8のジムリーダー対抗戦」。念願かなってこれが描けることになって…まあ嬉しかったですね。
新作のポケモンソフトが出て、「新作ではポケモンやタイプで新しいものが見つかったぞ!」というその時に。
「あれは○○!最近見つかったポケモンだな」「最近、発見された新しいタイプよ!」みたいなセリフばかりだったので、
新しいものが見つかって、それが認知されていく最中だったり、再分類されるプロセスのさなかにある、そういう瞬間もあるんじゃないかと思い、
それを含めたいと思いながら書いた話です。新タイプ「はがね」…ですね
イワーク対ハガネール。山本先生の画力のおかげで迫力のビジュアルに。
タケシもミカンも活き活きしてて…そのごの1試合1試合を想像し、僕も楽しみでした。
2002年度「小学五年生」4月号


【このころのこと・2001年度終了②】
2001年度のことはだいたい回想したと思うのですが、ひとつ、あまり詳しく記述しなかったのは「番組出演」の件。
いちど以前の回想録で少しだけ触れた、その程度でした
学年誌編集部を通じて僕と山本先生に「番組出演」の話が来ました。珍しい話だったのですが、家庭のテレビにかかるものではなく…区民会館、図書館などの公共機関に配信される「公共性のあるプログラム」でした。テーマはこども教育や将来の職業・夢など。タイトルは『まんがで夢を語ろう!』です。
時期は2001年度のながば頃。すでに公式サイトがスタートしていたのでその中で「日下山本両先生が出演するよ!」と、けっこう大きめに告知しました。
果たして見た人ははいたのだろうか??????
番組制作側の要請は「ふたりで生出演」だったのですが、僕は…出演日に他の用件と重なってしまって…山本先生おひとりをスタジオに行かせることになってしましました
(それをお伝えした場面の先生の顔、忘れられない)
で、僕側は事前に僕の仕事場でVTRを収録し流した上で、番組の配信時間、電話で声のみの出演をする、という方法をとったという…。
しかし今思ったが…あれはなぜ「生番組」でなければならなかったのだろう??
学年誌編集部には「情報部員」という制度があり、読者の中から取材記事などに協力してくれる子供を募っていました。
この時も番組に協力してくれる子供が3人くらい?情報部員から選ばれまして…、この子らが僕の仕事場に来た
(同じく事前VTR収録で山本先生のところへも行っているはずだ)
そういえば仕事場に来た中で一番おおきい子が6年生だったが…その子も今23歳くらいってことだよな~。ふうむ
番組内容は「漫画家の仕事ってどんなの?」みたいな感じ。
「作品ができるまで」ではシナリオ→コンテ→下絵→ペン入れ…という段階ごとの製作過程を見せていった。
あと漫画家になりたいという子供たちからの質問コーナーとかもありましたかな~


第156話 VS ヨルノズク
この話も「小四」と「小五」掲載分をくっつけて1話にしている。
学年ごとのルート分けとしては「小四」~ゴールドクリス視点の、
仮面の男・正体さがし、
「小五」~対抗戦メイン学年、
「小六」~シルバー視点 というふうに分けていたので
第3試合はアンズもハヤトもとても気にっていたので試合展開を考えるのが楽しかった。
アンズの…「なぜか似た境遇のものと引かれ合い出会ってしまう」「戦うことになってしまう」という…。というか「さだめ」みたいな感じも。この人に似合うと思っていた
第156話ではp29~p42(ハヤト対アンズ戦部分)が「小五」5月号掲載、冒頭のp23~p28(アカネちゃん対カスミ戦を観戦しながら話すゴールドクリス部分)が「小四」4月号掲載だった
2002年度「小学四年生」4月号+2002年度「小学五年生」5月号


【このころのこと・12巻刊行へ】
12巻は2002年の4月に出しています。2001年度→2002年度という「年度越え」があって、3月3日に4月号発売で新年度スタート。
内容的には「小四」の4月号内容が描かれてすぐ、それを含めた編集作業に入り、最速で出して4月、というスケジュールでした
一応おさえておくなら、コミックス発刊時に追加した描き足し、p23、39、54、140、178、192です。
巻の最後にくるエピソード(第154話は 「小三3月号」+「小四3月号」+「新年度小四4月号(冒頭部)」をくっつけて1話にしているので、この部分の連載時の調整が大変でした
その他、巻末には予告やマップ、手持ち紹介など。
このへんはいつもどおり。この巻だけの読み物としては「ジムリーダー制度の解説」。1
2巻までの中でジム関係として出た細かい設定を紡ぎ合わせて体系的に解説しました。そんなのもあって…本としてまとめあげるのは楽しかったかな。
山本先生とのコンビとしては1周年。3冊の単行本が出せて…、まあ相変わらず逆風が、このころはまだ強かったのですが、それでも感謝できるな、という想いでしたね


第157話 VS コイル
前の話の引きで「レッドに会った」とはっきり言うナツメをかいて…。躊躇なく、ほんとにはっきり言い切ったシーンだったので、なかなかの反響でした。
1ヶ月あけて、その引き受けとしてシロガネ山での、レッドの場面をドンと描きました!
しかし前半は、ほとんどが入浴シーンという…ね。
12巻153話には「前回優勝者は都合によりセキエイの会場に来れず」「かわりに前回の決勝のビデオでも見て」という脱力シーンがあったわけですけどw
その時「なんだよ~」と思った人も、この157話であるていど喜んでくれるといいな~と思っていました。
公式サイト当時のトップ絵「所有者ふりかえりシリーズ」。
でしたが、ここではまだレッドは後ろ姿のまま(回想なので)。暴走リニアを颯爽と受け止めに現れる、後の出番を待つことになります。
2002年度「小学五年生」6月号


第158話 VS ストライク
対抗戦4試合目の、マチス対マツバの決着。うらみ、いたみわけ、みちずれなど、他の場面では使うことのなさそうな技まんさい~。
負けられない男対決。ふたりとも芯の通った感じで…しびれる。
前巻、千里眼を頼ってマチスがマツバのところへ依頼にむかう場面を描いた時からふたりが対決することは決めてたわけですが、思ってた以上に熱く仕上がった
男くささ満点で気に入っています
つづいての「ツクシ対ナツメ」は「タイプ相性の不利をどうくつがえすか」だけを考えて構成、
まんがでしかできないこと。これを追求していくことも、…すごく大切。
p58に出てくる「ボール内側に見えない網がありひっぱりこむ」記述は首藤さんによる「小説版」のリスペクト。
影響、…うけてますね。
2002年度「小学五年生」7月号


第159話 VS サナギラス
2002年度は、主に
「小四」ゴールドクリスによる黒幕探し、
「小五」対抗戦メイン学年、
「小六」シルバー視点…というふうに学年ごと分けていましたが、その「小六」部分。シルバーです
雑誌としての前話は12巻のVSキングドラ
「入って来られるようになったか、シルバー」から続くので…149話。いつもどおり一気にジャンプするかんじ。
ワタルのやりとり、脱走時の回想、シルバーブルー以外の修行メンバーの影など、これまで入れたかったものをこのチャンスに凝縮して投下。
シナリオを読んだその時の担当の反応は「過去の描写を背負いすぎて話が難しい…!」というものだったが
絵になるとグッと読みやすく。仕上がりに感謝、また内容を変えずにそのまま描かせてくれた担当にも。
クリスタル編はいろいろあって、独立した章にならず、金銀とくっつけて「金銀クリスタル編」となったが、バトルタワーはクリスタルの要素。
「金銀」と「クリスタル」の架け橋的にあつかうという意味で、現場は建設中とした。
しかし夜の建設現場…、ビジュアル、めちゃカッコイイです!
2002年度「小学六年生」6月号


第160話 VS ポリゴン2
前の話でイエローの行方もちょっぴり挟み、そちらのほうも展開。
タマゴは金銀で初めて出た要素なので、ここで書かないでどうする!という思いだった。
シルバー視点で続く「小六」の連載でしたけど、このへん(育て屋周辺)のエピソードにも…けっこう大きく反響がありました
おじいさんたちの世代のつながり。飾られた写真に泣きそう。
「赤緑」登場のライバルと「金銀」登場のライバル。シルバーとグリーン。この絡みもどんなだろうとずっと思っていて…。念願かなって描けた感じ。
公式サイトトップ絵・所有者振り返りシリーズ。グリーンの正面むきはこの月にオープン。
2002年度「小学六年生」7月号