ポケモン雑学置場

ポケモンの様々な雑学を扱います。

ポケットモンスターSPECIAL 回想録1

第1話 VSミュウ
このシナリオを書いた時のことは、もう、あまり覚えていない。
唯一覚えているのは、執筆順で1番最初に書いたのはこの話ではないということだ。
あと、ロケット団員のボールを、スーパーボールに、とお願いし、描いて貰った。
今ではデサインが変更されているので、感慨深い。


第2話。VSゴーリキー
シナリオができあがり、コンテの打ち合わせの段階で担当さんから「今回あたま二枚、カラーとったよ!」とお伝えいただいた。ガビリーン
知っていたらもっとカラー映えするシーンを冒頭に持ってきたと思うが、遅し。
結果1ページ目は「ピンポ〜ン」と「ギギギ…」ポケモンの絵もいっさいないのに色つき…という最高に贅沢な仕様になりました……
でもカラーページがもらえたのは嬉しかった!!


第3話 VSガルーラ 
6月号用に描いて、4月号からのつながりでいくと ここまでがワンセットだった。 97年度の六年生に掲載。「小六」の読者はミュウ→ゴーリキー→ガルーラ…という 単行本どおりの読み方をしたことになる。
道具のビジュアルはゲーム中には存在せず、資料もほとんど無かった。
44ページの「どくけし」は取り説にのっていたイラストを参考にえがかれました。


第4話 VSピカチュウ
執筆順では一度戻って4月号に掲載した話。これは小四用にかいた。
つまり四年生の読者にとっては これが第1話だったわけだ
商店街。リンゴやバナナなど かかれていて、のどかな感じ。
グリーンのモンスターボールのホールド位置が雑誌版では違っていた。
コミックス発刊時に描き直しがなされている。


第5話 VSイワーク
ストレートなジム戦ということで気に入っている。ゲーム通り「硬派なタケシ」もポイント。上半身…はだかだったんだなー
初期ならではのエキセントリックな描写が多い…。97年度 小四 5月号。


第6話 VS ギャラドス 
執筆順では再び4月号に戻り。「小学五年生」97年度4月号用にかいたもの。
つまり小五読者にとっては、これが第1話だった。
カスミの登場や冒頭の白目をむいたギャラドスなど、自分にとってもやはり印象深い。
4月号段階で3誌ならべてみると 
「四年・ピカチュウ」「五年・ギャラドス」「六年・ミュウ」という並びになる。
1巻の中に3学年分の「第1話」があったわけだが
、連載時、コミックスにするときの組み方も既に決めた上でかいているので、
「途中の話を第1話ぽく見せてる」ともいえる。
いまだに「初めて読んだのはこの話です!」という類の投稿や便りをよくもらう。


第7話。VS サイドン。
なんと言っても「ちゅーしゃ」だろうか。「ちゅーしゃ」でムクムクムク。
この話しもコミックス化にあたり、多少の改稿箇所あり。
前の話に連なる形で小五に掲載。97年度5月号。


第8話 VS スターミー。
第6話、第7話からのつながりで小五に掲載。6月号(97年度)。
ニビジムの話は他学年で描いているので、この小五読者は読んでいないが、
時系列的に、それより後の話であることを明示するため、
P109ではレッドの胸にグレーバッジを描いてもらった。
そうやってコマの中に小さなヒントを見つけて3誌の中の時系列を予想したりするのも
ひとつの「遊びの提案」、と考え、実験的な連載方式にチャレンジしていたように思う。
“メイド”とか“デート”とか言っていてほほえましい…


第9話 VSオニドリル
この話ではトレーナーのボール持ち運び問題〜いくつまで持てるのか、いくつまで持つべきか…という命題に挑戦
しかし、本当のこの問題の決着は第119話(10巻収録)でようやっと描けることに。
マサキの「災難キャラ」が一気に定着し重宝して、
その後、毎巻かかさず出演するセミレギュラーになった。小六 7月号。


第10話 VSビリリダマ
これは小四の6月号に載せるべく描いた。
そんなわけで小四の読者たち目線でいくと ニビジムからここへワープする。
間にカスミとの話があったことを示すべく、こちらのレッドは胸にハナダで得たバッジをつけている。
コミックスになったものを、一本道で読むと、「当然じゃ~ん」という感じだが、
雑誌段階で読んでもらう時には初めての試みだったため、とにかくいろいろ気をつかった。
後のことになるが、この話の中の1ページが小学校の国語の教科書に、
「まんが表現のはん例」として載った。
まわりに載っていたのが手塚先生や藤子・F先生だったので、とにかく畏れ多く…。
しかしとても嬉しかった。
その他、だいすきクラブ会長のことや、メノクラゲAさんのこと、ポケモンスタンプのこと、
ニョロの個性をたてたくて、あえてピカを退席させていることなど、
多すぎるくらいのおもいがよみがえってくる一遍だ。


第12話 VS カビゴン。
自転車レースの読みきり。小六・97年度・8月号用に執筆。
作中で「トライポケロン」とか言っている。
12年後・ゲームで「ポケスロン」というものが出てくるなぞ、…当時、知る由もなし。
この話ではとりあえず、
「この作品の世界観として【わざマシン】【ひでんマシン】というものが存在する!」 
…というふうに決めてしまった。あるものはある。ある種、わりきるような気持ちがあった。
「イベント司会者」や「海パンやろう」などが気に入る。
僕は端っこの脇キャラをすぐ好きになる傾向があるようだ。


第13話 VS コダック
「小五」97年度 7月号用に執筆。この学年的にはカスミの話の次、
連載4ヶ月目にしてグリーンの初登場…となる。
そんなわけで「同じ目的で旅してるライバルがいるんですよ」という説明をさりげなく挿入。
シオンが舞台ということでポケモンの死、ポケモンの墓、そして霊…など、デリケートな問題がぞくぞく。
ホラーチックな回だから怖めに…と考えていたが、演出面、ちょっとやりすぎちゃった。
おまけに「タマゴから生まれたてのドードー」というビジュアルが…!
「タマゴ」という概念が登場する次作ゲーム「金・銀」。
後の話になるが、「タマゴ発見の権威」として高らかにそれを発表するウツギ博士を差しおいて…
フジ老人がタマゴ発見?? これ、いいのですか?という読者の指摘をやまほどもらうことに。
自分的にも「研究者のランクとしてウツギ博士をしのぐフジ老人て…!ないわ~」と思っていましたら、
フジ…老人?
フジ…博士?
ふう。
何となく、つじつまが合ってしまう。


第14話 VS アーボック
見どころは「あやつられグリーン」か。
前回に引き続いてエキセントリックなシーン・演出が…いっぱい。「小五」97年度8月号用に執筆。
3誌の8月号(7月頭発売)までの打ち合わせが終わった段階で、当時の担当氏が
「15話分(3誌×連載5ヶ月)たまったじゃん。そろそろ単行本のこと考えようよ。並び順教えて。」
と言うので、3誌バラバラの内容をコミックスとして組みたてる設計図(?)を見せた。
ページ数を数え、台割に当て込む担当氏。
普通の「てんとう虫コミックス」は総ノンブル192ページ。
少し大判の「てんとう虫コミックススペシャル」は総ノンブル208ページ。
てんとう虫コミックススペシャル」のほうがピッタリくるねと言って、この「VS アーボック」までが1巻ね、と決定した。
もし普通の「てんとう虫コミックス」が選択されていたら、第13話までが第1巻となっていたろうが、内容の区切りの良さ以外に、ど~~~うしても「てんとう虫コミックススペシャル」を選択せざるを得ない理由があった。
それは…
こちらの連載に、わずかに先駆けて始めておられた、コロコロでの、穴久保幸作先生の作品「ポケットモンスター」に関係がありました。
その段階で、穴久保先生作「ポケットモンスター」がすでに「てんとう虫コミックス」というブランドで単行本化されていました。
同じ版形(サイズ)、同じ価格で、同じタイトルの漫画が同じブランドから出ることになると、書店や取次ぎ(もちろん読者も)が、混乱してしまう。
同じタイトル…。つまり、この「スペ」。
単行本化の話がでるまでは「ポケットモンスター」というタイトルの漫画作品だったのです…
書店や取次ぎの混乱をさけるため、穴久保作品とタイトル上区別をつける。そのため 「ポケットモンスター○○○○」というふうに、何かをお尻につける。
担当氏。「てんとう虫コミックススペシャル ってブランドから出すんだから、『ポケットモンスターSPECIAL』でいいんじゃない?」 
…これが初めてタイトルのお尻に「SPECIAL」が付いた瞬間…でした…


【番外編・コミックス発刊への道】
<続き>そんなわけで、なかなか「ギエピー」な理由で
①「てんとう虫コミックススペシャルというブランドで発刊すること」
②「お尻にSPECIALと付けて、作品名を改題することがけっていしました
「SPECIAL」とつける前は「ポケットモンスター」という作品名だったことは、昨日かいたとおりだけど、今おもいかえすと…かなりの違和感。
…作品名「ポケットモンスター」。なんかすごい…むき出し。
自分としては「学年誌が好き」、「ドラえもん、あさりちゃんと並ぶのが憧れ」…などなどがあり「てんとう虫コミックス」というブランド名への想いが強かった。だからその時は多少複雑だったと思う。だた、今では、まあ良かったかな~と思う
ポケットモンスター○○○○」というふうに、何かをお尻につけねばね!と言ってから 「SPECIAL」に決まるまで実際は2~3日あったように思う。
その間にいくつかの候補も出ていた。「Z」や「G」である。
ポケットモンスター Z」「ポケットモンスターG(Gと書いてGet)」。このへんが候補。
特に「Z」は当時担当がけっこう気にいっていたのか知らないが、実際に1巻の仮台割に「ポケットモンスターZ」と書き込まれていて「うそ~!」という感じでした。


第15話 VS カメール
ブルーを15話から出すことは少し前から決めていた。
シオン編で「小五」にグリーンが登場し、「小四」「小五」「小六」3誌すべてで「主人公・ライバル」という要素をおさえることができたので…その後すぐに。というシリーズ構成だったように思う。
担当氏や真斗先生には「峰不二子こども版」みたいな新キャラで、と説明した。
キャラクターのバックボーンなどをあれこれ考え、とにかく書き出して動かすのが楽しみだった。


第16話 VS ケンタロス 
ブルー登場編の2本目。ブルーの性格とか戦闘法など、うまく出たように思い気にいっている。
あとカツラの話の構想などもすでにたっていたので 、小さなシーンだが、含めてもらった。中隊長のケンも初登場…かな?
しかし、今みると「フロッピーて!」って思うw


第17話 VS ルージュラ
ブルーを書けるのがうれしく、またレッドとのやりとりもなんか出来上がってる感じ。先の2本同様楽しんで執筆できた。
ブルーが「現在確認されているポケモンが何種類なのか」ということに言及しているセリフあり。
これに関していまだに公式QAに投稿をいただく(特にちびっ子たちから)。
そのほとんどが「この段階でまだミューツーを開発中なのだからミュウを除いても149のはずだ。ブルーはあと1種類、なにをカウントしてるんですか!?日下先生!!」という内容の質問…
ううむ。
しかし「ブルーはあと1種、何をカウントしてるんですか?」とか言い始めちゃうと、ブルーはこの段階でヤミカラスをはじめ、修行時代に接した何匹かのジョウトポケモンを見ているし、へたしたら「ブルー」もすでにもっているのよ
そんなもんでこの問題は迷宮入り。すまぬ、ちびっ子たちよ。
そしてこの当時、後に600種をこえようなぞ…知る由もなし。


【97年度 6~7月あたりのこと】
8月売り9月号につける別冊にすべて新作を、というミッションも終え、1巻にかんすることもたいたい終えてい一息。1巻に発売日が8月8日に決まる。
例月、てんとう虫コミックスの発売日はだいたい25日前後なのだが、ちょっと変化球で8日。
「お盆前がいいんだよ。こどもが田舎に帰る。おじいちゃん、おはあちゃんからお小遣いもらうから、そんとき狙いでさ」と担当。
なまなましいでしょう?
帯に田尻智さんのコメントもいただけることに。これは物凄くうれしかった!
スケジュールに少し余裕が出たので、8月初旬は夏休みをとり、ブラジルへ旅行に行った。
まあ、ちょっとだけ残念だったのは初めてのコミックスの発売日当日そのものに、日本のいられなかったことです…ね。
まあそんなわけで「8月8日」は自分にとっても作品にとっても 特別な日になりました!


第18話 VS キュウコン
11話に続いて、ゲームでいうところの「交換」「通信(また、通信による進化)」をまんがの中であらわせないか…にチャレンジ。主人公とライバル、というコントラストが出て評判も上々だった。
「グリーンはレッドのポケモンを手なずけたのに、レッドはグリーンのポケモンをまったく手なずけられない」  …これは、レッドが直前の話でブルーにバッジを盗られている(ニセモノをつかまされている)ため、「バッジゼロ状態」だから…という うっすらした裏設定もある。


第19話 VS イーブイ
これは小六。64ページの別冊付録をやった次の月、10月号用に書いた。
学年誌の12ヶ月を半分に区切ると10月号からが下半期。今でも10月号の準備に入ると「あ~、 後半戦だ~」と思う
小六、7月号の内容を受けてマサキが。さっそく使い勝手がいいかんじ。
半分イーブイ、半分サンダースになってるコマは強烈…! まあ…なかなかハードな内容だなと思う。
次の月(11月号)はカラー扉をつけることが決まっていて、進行面で急いでいた覚えがある。


第20話 VS ラフレシア
10月号~11月号という2ヶ月は、「小五」も「小六」も「前後編」というセットになった。
つまり「19話と20話がセット(小六)、21話と22話がセット(小五)、…という具合。
…で、「小五」も「小六」もそれら後編のほうに「カラー扉」をつける!という仕様だった。
話数で言えば この「20話」と「22話」にカラーがついていた。「ポケSP」のみの別冊付録をつけたり…なにかと優遇されていたな~と思う。
22話のほうについたカラー扉は、第2巻編集時に「内表紙」として使用したので「あの絵だよ」とすぐに言えるが…。「20話(VSラフレシア)」のほうについたカラー扉は…もしかして単行本派の方々は見る機会がなかった絵かも…!?
レッドとイーブイとエリカ。そして花びらをバアアッと散らすラフレシアが描かれていた。
内容的には“みがわり”など、ビジュアル化しづらそうな技の登場にチャレンジ。
このころからうっすらと「全ての技を作中に出したいな~」というプランが芽生えていたの…かも。
第21話との間に「谷間」のページができたので、ここはコミックス化の際の描き足し(90ページ)。単行本上でのナツメの初登場になる。